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目指せ 副収入 百万円!


by narumada
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甘くささやく…

音楽が響くなか、その男性は静かに歩み寄り、
私の肩をそっと抱いて、何かをささやきました。
残念ながら、私にそちらの嗜好はなく、
男性の欲求を満たすことはできません。
ちらりと目を向けると、肌が浅黒く、
エキゾチックなハンサムボーイです。
男性は甘い声で、またささやきます。
よく聞こえませんでしたが、
ちょっとたどたどしい話し方から、
外国の人と思われます。
何だか少し怖くなってきました。
「すみませんっ! そういう趣味は…」
喉元まで出かかったことばを遮るように、
男性は私の目をまっすぐに見て、こういいました。
「ボクノシャシンモトッテクレマセンカ」
# by narumada | 2006-05-01 14:07 | カメラ小僧

危機迫る?

全力を尽くした私はへとへとでしたが、
それは心地いい疲労感でした。
店長さんの指示を受けたお店の人が、
冷たいビ−ルを運んできてくれました。
使命を成し遂げた後のお酒です。
もちろん、一気に飲み干しました。
こんなにおいしいビールは久しぶりでした。
私はステージの音楽に身を任せ、
惚けたように聞き入っていました。
もしかすると、少し無防備だったかもしれません。
…静かに近づく男性の影にも気づかないほどに。
# by narumada | 2006-04-22 23:26 | カメラ小僧
私は店内をくまなく徘徊し、照明の位置を確認。
ミュ−ジシャンの癖を見定め、
画角のいい場所に三脚を立てました。
バッグから感度の高いISO800のフィルムを出し、
カメラに装填します。絞りは開放です。
「どうだ、かかってこい!」と、荒ぶる私。
成功すれば、劇的な構図になりそうです。
そして何度目かのサビがやってきました。
すかさず「カシャッ、カシャッ、カシャッ」と、
シャッター音も小気味よく、連写したのです!
この瞬間、私の表情は恍惚に満ちていた…
かどうかはわかりませんが、
はっきりとした手ごたえを感じました。
さらにISO1600もためしてみます。
シャッター速度は1/4。よくても1/16程度でしたが、
私は不思議な確信にみなぎっていました。
普段は地味でさえない私ですが、
このときスポットライトを浴びているのは、
自分のような気さえしていたのです。
# by narumada | 2006-04-15 01:31 | カメラ小僧

気を取り直して

「カメラ小僧」前回までのあらすじ

あぶく銭を稼ぐために、カメラを購入した私は、
地元のラーメン店で声をかけられ、販促用の撮影に。
実はその店長、やり手の実業家だった。
二号店に引き続き、経営する美容院の撮影も依頼され、
さらにはジャズバ−の撮影までも!
ところが、はじめてのライブに酔いしれ、
すっかり聴衆と化してしまった…。
はたして『新・あぶく銭プロジェクト』の運命やいかに!?

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ジャズバーなんてしゃれたところは、はじめてでした。
目標「副業年収百万円」を忘れ、夢中になってしまいました。
いけない。このままでは店長さんの信頼を失ってしまう。
気を取り直した私はサビを予測するために、ステージを睨みます。
曲はだいたい二番、三番と続き、サビは何度もくり返されます。
ミュージシャンの方は、ここぞとばかりに魂を込め、
アクションでアピールするよりも、歌うことに集中します。
そうか、なるほど。何かをつかんだ気がする…。
# by narumada | 2006-04-08 18:22

再開のご挨拶

季節が移り、細々と暮らしている私の身にも、
小波が押し寄せ、この春、職場に後輩が入りました。
何とこの私が、教育係、先輩になったのです。
先輩ともなれば、後輩を連れて仕事帰りの一杯、
いつもいつもワリカンというわけにはいきません。
ますます「あぶく銭」が必要になってくるわけで…。
お立ち寄り下さった方におかれましては、
いかがお過ごしだったでしょうか。
ジャズバーの記事から、更新が途絶えていました。
カテゴリに「マンガ道」や「発明王」を掲げながら、
最初の「カメラ小僧」でつまづいていました。
毎週一本の更新を目標に、再開です。
# by narumada | 2006-04-01 13:05 | おしらせ